【キーポイント】
防災科学技術研究所(防災科研)では,日本海溝沿いに構築している大規模かつ稠密なリアルタイム沖合津波観測網である日本海溝海底地震津波観測網(S-net doi:10.17598/NIED.0007)を用いて,津波の遡上を即時的に予測するシステムの開発を進めている.その中で,複数の指標(2種類のVariance Reduction (VRO, VRC)C2)と相関係数R)を同時に用いることで適切なシナリオを選別するMulti-index法を開発した.本手法では,広域の津波遡上・浸水の予測を実現するため,津波シナリオバンクに事前に計算した沖合の観測点での水圧変動や沿岸での津波高,遡上浸水深分布を予め登録し,津波が発生した際には,観測データと計算シナリオを比較し適切なシナリオを選別するデータベース検索型を採用している.さらに,選別された複数のシナリオを用いて,予測の不確実性も同時に表現することを目指している。
以下は,JpGU 2018 (SCG65-10) の解説スライド.